事業者名 | 東峰テレビ |
住所 | 福岡県朝倉郡東峰村大字宝珠山166-1 |
業種 | その他 |
事業内容 | ケーブル放送・ネット配信等の地域メディア運営 |
福岡県中央部の東端、大分県に隣接する東峰村(とうほうむら)。日本棚田百選に認定された竹の棚田があり、日本の昔ながらの美しい景色が広がる場所です。また、村内には小石原焼や髙取焼を作る窯元が点在していることから、東峰村は「陶器の里」として有名。
そんな東峰村で、2010年に「村民みんなで創るテレビ」をスローガンに掲げて開局したのが、ケーブルテレビ局の「東峰テレビ」です。東峰テレビの一番の特徴は、「住民ディレクター」の存在。
住民ディレクターとは、住民自身がディレクターとなり、地域番組の企画や制作をすることです。この住民ディレクターを提唱したのが、現在、東峰テレビでプロデューサーを務めている岸本晃さん。
岸本さんは、メディアをただ受け取るものではなく、「生活道具」として捉えています。住民が番組制作のプロセスを通じて、企画力や行動力、社会性を身に付けられる。そして、メディアを駆使することで、地域住民の新たな可能性が生まれると考えています。
「住民ディレクターの人たちに対して、こちらが何を発信するべきかを教えるのではなくて、みんなに一番何を伝えたいのかを考え、自分の言葉で喋りましょうと伝えています」と、岸本さんは話します。
番組制作には様々な役割が必要です。キャスター、カメラマン、ディレクター、スイッチャー、ミキサー、プロデューサーなど。それら各役割を地域住民が経験することで、コミュニティ内での自分自身の役割と必要性を確認できます。様々な視点を身に付けた上で自分自身の視点で発想し、表現することが、住民ディレクターの原動力になっています。
住民ディレクターの存在によって活気が溢れている東峰村。村民のみなさんが実際にどのようにそれぞれの役割をはたしているのか。現地に足を運び、その現場を見てきてください。
住民ディレクターの活動は、「人材育成プログラムになっている」と、岸本さんは言います。
住民ディレクターとして多くの村民が活動することで、企画力を身に付けられることはもちろん、日常の人的交流が促され、その中で情報収集も行います。
得られた情報の中から、地域の課題を見つけ出し、そこにフォーカスした番組作りに力を入れることで、解決型の地域づくりがなされています。日ごろから住民同士での会話があることから、災害などの非常時には助け合いも生まれます。
今回のくらしごと体験では、東峰テレビの仕事の一部を体験できます。実際に東峰村を歩きながら、スマートフォンなどで撮影。撮影した映像を編集します。そして、実際に東峰テレビの番組に出演。編集した動画を使って東峰村の紹介をするといった、番組制作の一連の流れが体験可能です。
加えて、撮影の合間などに、住民の方々との交流もできます。東峰村について、さらには住民の方々が住民ディレクターとして各々どのような活動をしているのか、そのやりがいなど、多くのお話を聞くことができそうです。
今回の体験には、「未知のものを求めている人」がマッチすると、岸本さんは言います。
「東峰テレビに来たら、未知のものに山ほど出会えるはずなんですよ。例えば、番組制作のプロセスはほぼ体験できますし、約40軒ある窯元を紹介することもできます。体験を通じて感じたこと、未知のものとの出会いで得たことを教えて欲しいですね!」
続けて、岸本さんはこう話します。
「あとは、田舎の良さが何か分からないと思う人たちにも来てもらえるといいですね。田舎では何が起こっていて、そこにはどんな生活があるのか。良さが何か分からないのは、田舎を知らないからだと思うんですよ。田舎の豊かな暮らしをぜひ知ってほしい」
日々、私たちが目にするテレビ番組制作の裏側だけでなく、地域の魅力や暮らしのリアルなど、東峰テレビでの体験は、多くの学びが詰まった機会になるでしょう。
岸本さんは、29歳で民放テレビ局員として入社。その後、5年間をかけて様々な地域を訪問する中で、「地域活性化は地元住民が主体となり、行うべきだ」という考えに至ったそう。
しかし、地方の活性化の実情は、岸本さんの考えからは程遠いものでした。地域活性化のために、外部コンサルタントがやって来て、企画書通りに進めていく。そして、契約期間を迎えれば、コンサルタントが去ってしまう。結果的に、何が地域のためになったのかが見えない状況があったと、岸本さんは言います。
「自分たちで企画して、自分たちのまちや村といった地域を活性化するには、地元住民がどのようなことを行うかを企画し、実行する。そして、その活動を見てくれた外部の人からの応援を次第に得るようになって、より良いものを作り上げていく。そんなしっかりした企画が積み重なって、持続可能な地域づくりになると思うんです」と、岸本さんは話します。
地域住民が企画力を付けることができれば、地域活性化のあり方は変えられる。そう確信した岸本さんは、民放テレビ局を退職し、起業しました。当時の勤務地であった熊本県で、初の住民ディレクターの活動を1996年にスタート。
その後、約30都道府県の市町村を地域おこしのために15年間行脚して2010年に東峰村へと移住し、東峰テレビのプロデューサーとして、住民ディレクターの活動を行っています。
東峰村の魅力について岸本さんは、こう話します。
「東峰村の良いところは山ほどあります。住民自らが良いところを掘り起こして、形にすれば、上辺でも一過性でもない、本当にいいものしか出てこないんです。なぜなら住民みんなが長年培ってきたものの中で、実はこんなものがあるんだ!というのを紹介するのだから」
企画することの難しさや楽しさ。見せ方や、情報をどのように発信するのか。今回の体験を通じて、岸本さんの考える「企画力」とは何かを学びましょう。きっと今後に活かせる気付きがあるはずです。
また、東峰村では「地域おこし協力隊」として、東峰テレビ運営スタッフを募集しています。地域おこし協力隊にご興味をお持ちの方もぜひご参加ください。
(地域おこし協力隊の募集について)
https://vill.toho-info.com/10000/11500/r611.html
1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.「東峰テレビ」の仕事の説明
3.仕事のお手伝い
・スマートフォンで撮影をしながら周辺散策
※実際の仕事状況によって変更があります。
2日目(9:00~17:00)
1.仕事のお手伝い
・スマートフォンで撮影をしながら周辺散策
・撮影動画の編集
・地域住民との交流
※実際の仕事状況によって変更があります。
3日目(9:00~15:00)
1.仕事のお手伝い
・編集した動画を使用した番組づくり
・地域住民との交流
2.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答
※実際の仕事状況によって変更があります。
最少催行人数:1名
宿泊場所 :近隣宿泊施設
集合場所:東峰テレビ|福岡県朝倉郡東峰村大字宝珠山166-1
参加費:無料
宿泊費:5,000円/泊まで補助あり
食費:自己負担
交通費(自宅~集合場所):自己負担